民訴から
既判力は主文に包含するもの、訴訟物についての裁判所の判断に生じ(114条1項)、判決理由中の判断には及ばない。
例外として、判決理由中の判断でも、相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断はについては既判力が生じる(141条2項)
請求債権の存否の紛争が反対債権の存否の紛争として蒸し返されることを防止するためである。
相殺の抗弁が認めれた場合において、原告の請求が棄却され判決が確定した場合、その後に原告が訴求債権の存在を主張して支払を請求することは既判力に反するので、認められない。
相殺の抗弁が認められた場合において、原告の請求が棄却する判決が確定した場合、その後に反対債権の存在を被告が主張して支払を請求することは既判力により認められない。
相殺の抗弁が認められ、原告の請求を棄却する判決が確定した場合、その後に被告が訴求債権が相殺より前に弁済によって消滅していたと主張して原告に対して不当利得返還請求をすることも既判力により認められない。
二重起訴禁止の趣旨は(142条)
①矛盾判断の危険防止②重複心理による訴訟不経済の防止③被告の応訴の煩の防止
二重起訴であるかどうかは
①当事者の同一性②審判対象の同一性で判断する。
限定承認後の訴訟の確定判決の効力
限定承認の存在と効力についても審理判断の対象となり、限定承認が認められたときは、主文に明示される。これについて、審理判断されて主文に明示された場合でも後訴でその効力を争うことはできるとするのは妥当ではない。
既判力に準じる効力がある
限定承認の無効事由を後訴で主張できるか。
時的限界が問題となる。
民事執行法35条の趣旨は、権利関係の安定、訴訟経済及び訴訟上の信義則にあり、その趣旨に照らすと、判決の基礎となる口頭弁論において主張することができた事実を主張して前訴の確定判決が認めた限定承認の存在及び効力を争うことはできない。
訴訟物が何であるか。明示すること。
前訴は1000万円の支払請求
後訴は不法行為の基づく損害賠償請求権
前訴で限定承認の存否ついて主張されていないので、口頭弁論に顕出されていないから、審理判断の対象となっておらず、既判力に準ずる効力が生じているとして後訴の主張を妨げることはできない。
しかし、訴訟物をより詳細に検討すると、
後訴の不法行為に基づく損害賠償請求は前訴の給付判決で原告が得た利益を被告が取り戻すために、原告が被告の固有財産に対して強制執行をしたことが違法であると主張して、不法行為による損害賠償請求をしている。すなわち
実質的には、前訴の確定判決の効力を争うものであり、
このように不法行為による損害賠償請求を無限定に認めると実質的な紛争の蒸し返しになり、法的安定性、司法への信頼という観点から問題となる。
また、不当な判決が確定した場合、つねに再審の訴えを提起しなければならないとすると、法的救済の観点から迂遠な場合もある。
よって、判決が確定した場合、その既判力によって判決のたいしょうとなった請求権の存在が確定し、その内容に従った執行力が生ずることはいうにまたないが、その判決の成立過程で、訴訟当事者が相手がたの権利を害する意図で作為不作為によって相手方が訴訟手続に関与することを妨げ、あるいは虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔するなどの不正な行為をおこない、その結果本来ありうべからざる内容の判決が確定して、これを執行した場合は、右判決が確定しているからといって、そのような不正な行為をしたものの不正を問責をとえなくするのは信義則に反するのであり、再審の訴えのみならず、右不法行為に基づく損害賠償請求をすることは妨げられない。
政党は国民がその政治的意思を国政に反映させ実現させるための最も有効な媒体であって、議会制民主主義をささえる上において極めて重要な存在
憲法の定める議会制民主主義は政党を無視しては到底その円滑な運用を期待することはできない。
結社とは多数人が様々な共通目的をもって、継続的に結合することをいい、毛者の自由は団体を結成し、それに加入する自由、団体が団体として活動する自由、結成しない自由、加入しない自由、脱退する自由を含む。
もっとも、医師会など公共的性格の強いものは加入脱退の自由は認められない。
違法行為を行うことを目的とする結社も保障されない。
労働組合は憲法21条1項、28条をも根拠とし、性質上、組織統制ないし団結強制が必要とされるため、内部統制が強く認められる。
政党の党首を選出する方法を決定する自由を侵害し(憲法21条1項)、違憲ではないか。
政党は内部規律を自立的に決定する自由は、結社の自由の一内容
よって、党首の選出方法も
政党の議会制民主主義における重要性
高度の自立性 自立性
私的結社であり、公的でもある。
よって、無制約ではなく、公共の福祉による
条例の処分性
執行行為が後続する場合
条例には処分性なし
条例に基づく申請を行い、許可を得て、特定の行為をすることができる法的地位に立たされるので、抽象的な法的地位が具体化するのは当該条例に基づいて知事が申請に対する回答(許可不許可)を行った場合
後続の執行行為を争う途が残されているので、条例の処分性を否定しても、権利救済の上で、おおきな問題は生じない。
条例に処分性を認めたH21の判例
①条例が保育所の廃止のみ
②他の行政庁の処分をまつことなく、廃止の効果が発生
③現に入所中の児童及びその保護者という限定された特定のもの
④直接、保育所で保育を受ける期待しうる法的地位を奪う
加えて、
当事者訴訟、民事訴訟で争っても、既判力は当事者のみ
実際の対応ができない
H140425 千代田区小学校廃止条例
入会権
固有必要的共同訴訟
同意しないものはどうするか。
被告として提起することで、当事者全員が訴訟手続に関与し、訴訟手続保障がされる。
訴訟の目的物が合一に確定すべきものである以上、固有必要的共同訴訟として
当事者全員の訴訟に関与していなければ、当事者適格が認められず、訴えを却下すべきである。
しかし、原告の中に、訴訟に提起することに賛同しないものいる。そのようなものを強制的に原告とすることはできない。
遺産確認訴訟は固有必要的共同訴訟か。
実体法・・・財産権ないし管理処分権が合有総有の場合固有必要的共同訴訟
共有の場合は自己の持分権を単独で処分できる。
訴訟政策的観点
遺産確認の訴えは
共同所有関係そのものをめぐる共同所有者内部の争い
管理処分権は共同相続人の全員に属するという実体法的観点
判決の既判力により遺産分割の前提問題である当該遺産の遺産帰属性につき合一確定させる訴訟政策的観点から、固有必要的共同訴訟にあたる。
ある財産が被相続人の遺産に属することの確認は、確認の利益判断の基準とされる確認対象の適切性から判断すると、過去の事実ないし法律関係の確認として不適法である。この訴えの審判対象は遺産分割前の共有関係という現在の法律関係ともみることができること。第2に、この判決が確定することで遺産分割の審判手続やその後に当該財産の遺産帰属性を争うことが既判力によって遮断され、紛争解決に役立つ。
持分の確認をすることも考えられるが、原告が一定の共有持分を相続したという理由で持分確認請求が認容され、確定しても、本件の土地が遺産であったという判断に既判力は生じない。それでは、本件土地は購入したのは別のものであるとして別の所有権確認の訴えが提起され、原告の持分以外の持分(原告の持分には既判力が生じている)について、争いが蒸し返しになり、結局は審判全体が覆される可能性がある。したがって、遺産分割審判手続において、その審判確定後に当該遺産の遺産帰属性を争うことは許さず、紛争解決を図るためには、当該財産が遺産に属すること、共有関係の発生原因自体の確認を認める必要がある。
遺産確認訴訟が固有必要的共同訴訟だとして、当該訴えに同調しない原告に加わらないものがいる場合、当該訴えは当事者適格を欠き訴えが却下される。
そこで、原告は訴えに同調しないものを、被告として加えることで、固有必要的共同訴訟の趣旨である訴訟当事者全員に合一確定によって権利の安定を確保し、紛争の実質的な解決に役立つ。
本件では、固有必要的共同訴訟が裁判所に継続中、被告のひとりが訴えのとり下げをしている。被告の一人が自己の相続分の他の相続人の譲渡したためであるが、相続分の譲渡により脱退前の被告は遺産帰属性の判断を受ける訴えの利益を失っている以上、固有必要的共同訴訟だとしても、遺産確認訴訟の訴えの当事者適格を失っているので、原告の譲り渡し人である被告に対する訴えの取下げは認められる。
確認の訴え
即時確定の利益