台風一過

原告は訴えを提起するに当たり、被告を特定する必要があるが、具体的には訴状に被告の法定代理人を記載しなければならない。(133条2項)

当事者法人である場合には、法人はその代表者によって訴訟追行するところ

民事訴訟法定代理人に関する規定は法人の代表者に準用(37条)されるので、訴状に被告法人の代表者が記載されるべきである。

 

法人に対する送達はその代表者を送達を受けるべき者として行われる。送達場所は代表者の住所・居所等が原則なるが、本人である法人の営業所等においてもすることができる(103条)

仮に法人営業所とうに送達がされ、法人等の従業員等が訴状を受領すれば、補充送達(106条1項)により、真の代表者に訴訟が継続することになるので、その申し出によって、訴状の補正を裁判所は命ずることになる。

 

 

登記簿に誤って記載されている代表者の住所に送達がされた場合、法人関係者が訴訟継続を知る機会はなく、訴訟手続がそのまま進行する可能性はある。

その場合、被告は口頭弁論に出席できず、被告欠席のまま、弁論の全趣旨により自白したとみなされれば、原則、原告勝訴の判決がされる。

 

当事者は真の代表者によって代表されなければならないのであるから、その判決には法令違反の瑕疵がある。

よって、被告は判決言い渡し後その瑕疵に気づいたときは、控訴ができる。

控訴裁判所は第1審の訴訟手続を法令違反を理由として取り消す。

なお、判決書も誤った代表者の住所に送達された場合、当該送達も無効なので、判決の送達日から進行する控訴期間も進行せず、常に控訴が可能である。

 

問題は、商業登記簿の記載に誤りがあり、その誤りの原因が被告の側にある場合、落ち度のない原告との関係で、また、本問のように、判決言い渡し後長期間を経て始めて控訴がされた場合は、いかに原告と被告の利益を調整し、保護すべきか。

 

商業登記の効力は、「故意過失によって不実の事項を登記した者はその事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない」(商法9条2項)

本規定は、私的自治の領域における取引の安全を図る趣旨であるので、当事者に紛争の原因となる法律関係、事実関係に法を適用して解決をはかる訴訟の趣旨からすると、両当事者に手続き的保障をほどこすべきである。

 

本問においては、真の代表者が存在しない状態なので、Xの申立により特別代理人の選任して、正当な権限を有する者に対して、あらためて訴状を送達することを要する。

Xがそのような補正手続を取らない場合は裁判所はXの訴えを却下すべき

よって、第1審判決を取消、事件を差し戻して、Xに補正手続(308条)の機会付与をすべきであれる。

 

民事訴訟における代理は

法定代理と訴訟代理

訴訟代理は個別の訴訟委任より代理権が付与される訴訟委任に基づく訴訟代理と、会社法上の支配人のように本人の意思に基づき一定の地位に就いたことにより当然に代理権が付与される法令上の訴訟代理

 

訴訟委任に基づく訴訟代理人は原則弁護士に限られる(54条1項)

 

訴訟委任における訴訟代理人の代理権の範囲は法律が特別の定めを置いている(54条2項)

委任を受けた事件について、反訴、参加、強制執行に関する訴訟行為、、弁済受領には当然その権利を有し(55条1項)、弁護士である訴訟代理人についてはその権限を制限できないが、反訴の提起、訴えの取下げ、和解、控訴、上告、復代理人の選任については特別の委任を(55条2項)うけなければすることができない。

 

手続の明確性、円滑性を確保する要請 資格者代理人に対する信頼

特別授権事項  通常の意思からは必ずしも導き出せない

当事者に重大な効果を揺する

 

訴訟上の和解については、非定型であり、訴訟物以外の権利義務関係も和解の内容に含めることが多く、そのような場合、訴訟代理人の和解の権限が及ぶか

 

当事者の保護と和解の便宜の観点から考慮すべきである。

原告の合理的な意思が借地関係の紛争の終局的な解決にある場合、

原告がそのために自己が処分可能な権利義務関係も和解内容に含める意思があると確実に推認され、また、訴訟代理人が確認をしているのであれば、

当該和解は有効である。

 

 

筆界確定

甲 乙

X(Aより相続)  Y(Aより)

abcd

名義人

cd  ab

取得時効 abcd

判断

時効 認める

abcdは甲地の一部だが、公法上の筆界が存するので、

甲地の一部につき時効所得は認められる。

よって、abcdの所有権は乙にある

境界確定訴訟の原告適格は筆界に隣接する所有者

時効取得によって、甲は隣接する所有者でなくなるので、

原告適格を失う

形式的形成訴訟

当事者の主張に拘束されない

 

 

筆界とは

表題登記のある一筆の土地とこれに隣接する土地のとの愛大に、

当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上のこれらを結ぶ直線(123条1項)

土地の所有権の境界とは異なり、登記簿で公示される土地の区画を示す公法上の境界線。

筆界不明の場合でも、私人が筆界を定めることは許されない。

裁判所が発見して、形成すべき。

 

一般的には所有権界と筆界は合致するが、ずれが生じる場合はある。

筆界確定訴訟

当事者の処分権が制約

申立事項拘束主義(246条)は適用されない。同条の適用を認めると、

原告の主張した筆界と裁判所が真の筆界とする線がわずかでもずれる限り正確な筆界を画するという公益も満たされない。

当事者間で筆界の位置について合意して、これを内容とする訴訟所の和解も許されない。同様に請求の放棄・認諾も許されない。

 

筆界の客観的な正確性の担保のために、弁論主義ではなく、職権探知主義が適用される。

裁判所は当事者の主張がなくても、証拠調べから得られた事実を裁判の直接基礎とすることができるし、自白の拘束力も認められない。

ただし、証拠調べにより得られた主張のない事実を裁判の起訴とする場合は、当事者に開示して、反論、反証の機会は与えるべきであると解する。

形成訴訟

実体法上の形成原因は存在せず、裁判所が多様な事実を総合考量する非訟事件の性質

当事者適格

隣接地の実体法上の所有者

取得時効が成立した場合において、筆界が確定した場合は、時効により所有権を失った原告に分筆手続、所有権移転登記手続に関与させる意義はあるので(判決により意思の擬制による単独申請はできるとしても)。

 

 

不利益変更禁止原則の適用はあるか。

一般に控訴審においては不服申し立ての限度においてのみ第1審判決を取消、変更することができる。したがって、控訴人は第1審判決より不利な判決を受けることはない。

この原則は処分権主義

客観的に正確な筆界の確定する公益性

入り組んでいるときに不利益変更が明確でない

当事者には十分な手続保障

当事者が主張していない筆界を認定する

反論、反証の機会

釈明する

 

 

将来給付

Y病院 

X自宅隣地

エアコン室外機10 年中稼働

騒音 精神的身体的被害

①撤去 ②損害

③将来給付

反論 基準を超えてもわずか

莫大な費用

防音対策

損害は発生していない

継続するか不明

①②棄却を求め③ 却下

裁判所

①②一部認容③?

 給付訴訟

口頭弁論終結時において給付請求権が現存する、現在給付の訴えを原則とする。口頭弁論終結時においていまだ存在しない請求権の存否を判断してもその後の事情の変動によって裁判所の判断が不当に記する可能性もあり、紛争解決基準として意味がなく、その判決を債務名義として強制執行されるおそれもある。

 

しかし、当該請求権をめぐる争いが将来発生する蓋然性が高い場合には原告にはなすすべがないことになり、当事者間の公平の観点から妥当ではない。

よって、あらかじめその請求をする必要がある場合

すなわち、将来給付の訴えの理系が認められる場合は適法

現在の不法行為が将来も継続するという予測を前提にしている。

①予測が相当程度確か

②請求権の成否内容について、債務者に有利な影響を与える事情の変動があらかじめ明確に予測しうる事由に限定 変動事由を予測しうる

③債務者に請求異議事由として提訴証明の負担を課しても格別不当でないか

 

 

現在の不法状態(占有継続やエアコン室外機10の設置)

エアコンを撤去するか、音が基準値以下になるような工事を行った証明

損害が発生していない証明

 

 憲法21条の保障する表現の自由

民主主義国家の政治的基盤をなし、とりわけ基本的人権の中でも重要であり、およそ政治的行為は行動の側面を有しているから、政治的意見の表明として面をもつのであり、その限りにおいて憲法21条の保障を受けるのは明らかである。

 

内容中立規制 (形式面)(外形)

厳格な合理性の基準 中間

行動の禁止に伴う限度での間接的付随的な制約に過ぎず、

意見を表明する自由を制約するものではない

その行動のもたらす弊害の防止を狙いとして禁止しているにすぎず

 

政治的行為とは公務員の職務の追行の政治的中立性を損なう恐れが観念的にとどまらず、現実に起こりうるものとして実質的に認められる。

 

本規則は

同項の委任の範囲内において

公務員の職務遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為の類型を規定したと解する

 

戸別訪問禁止は意見表明そのものでなく、

意見表明の手段方法のもたらす弊害、すなわち

利益誘導温床、買収 生活の平穏妨害 情実に支配

選挙の自由と公正を確保するため

失われる利益は戸別訪問による意見表明の自由の制約ではあるが、弊害防止により得られる利益は選挙の自由と公正ではるかに大きい

 

戸別訪問禁止は憲法21条1項 政治活動の自由に対する規制

内容に着目している 厳格審査が妥当

意見表明そのものではなく、手段方法のもたらす弊害に着目

内容中立規制

厳格審査に該当しない

 

内容着目か内容中立か

形式的ではなく、実質的に判断する

戸別訪問を禁止

他の手段で政治的信条の伝達は可能

メッセージは自由市場から排除されない

特定内容の政治的見解の排除ではない

戸別訪問禁止

買収利益誘導 生活平穏 

行為自体がもたらす弊害に着目

外形に着目しており、客観的な判断になじみやすく、恣意が働きにくい

 

 

ビラ

表現の自由

民主主義社会 特に重要な権利

尊重されなければならない

一般公衆の事由に出入りする場所でのビラ配布

自己の主張や意見を他人に伝達する手段として軽視できない

少数者の意見がマスメディアを通じて、受け手に広く伝わることを期待することはできず、他人に伝える簡便な有効な手段といえる。

一般公衆が自由に出入りする場所はそれぞれが本来の利用目的を有するが、

それが同時に表現の場所として役立つことは多い。

これをパブリックフォーラムと呼ぶ、このパブリックフォーラムにおける表現は本来の利用目的のための管理権にもとづく制約に服すると言え、その機能に鑑み、表現の自由を可能な限り保障する必要がある。

 

 

 

 

 

表現そのものではなく、ビラの配布のために人の看守する邸宅に管理権者の承諾なしに立ち入った

本件は内容規制ではなく、法益侵害

情報受領の自由

知る権利

レペタ事件

各人が自由に様々な意見、知識、情報に接し、これを摂取する機会をもつことは個人として自己の思想を人格発展、社会生活に反映していくうえで欠くことができない

民主主義社会における思想情報の自由な伝達交流の確保

真に実行あるものにするために必要で

情報を摂取し、受領する権利はその派生原理として当然導かれる

 

よど号

情報受領の権利、知る権利は憲法19条、21条の趣旨から派生原理として当然導かれる

個人の人格思想の形成と発展、社会生活への反映に欠かせない

情報の伝達、新聞の閲読、図書の閲読  

 

自己の人格形成の起訴

政治的決定のための知識を得る機会の確保

当該情報を見せることはよくないというパターナリズムな観点

国家が表現の価値を設定していることになり

国家の思想的中立性に反し、個人の自律、自己実現を阻害

厳格審査基準

 

情報摂取が摂取の禁止が 情報そのものの価値を判断してでないなら、

情報受領から生じる害悪に着目してなら、厳格な合理性(中間)

岐阜青少年保護育成条例

有害図書

 

青少年の健全育成に有害 社会共通の認識

対面でない 昼夜問わず 街頭 

本件条例

内容着目規制

思想の自由市場を歪める

個人の自律を阻害

厳格審査

目的がやむにやまれぬ利益手段が不可欠

でなければ違憲

 

青少年は人格形成途中

成人ほど知る自由の保護の必要性より、人格形成の優先度が高い

知る自由とは

提供される知識、情報を自ら選別していく

それを自己の人格形成に役立てていく能力をみずから訓練していく

 

青少年は一般的にいって精神的に未熟

選別能力が十分でない

成人同等の知る自由を保障する前提がない

 

情報収集の自由

博多駅テレビフィルム事件

報道機関の報道の自由は民主主義社会における国民が国政に関与するにつき重要な判断資料を提供し、知る権利に奉仕する。

事実報道の自由憲法21条の保障の下にある

取材の自由は報道が正しい内容を持つために必要であるから、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値する。

 

NHK記者証言拒否

取材源 みだりに開示 報道関係者と取材源との信頼関係が損なわれる

将来にわたる円滑な取材が妨げられる。業務に深刻な影響をあたえ、遂行が困難になる。

職業の秘密にあたる

 

一般人が自由に立ち入ることが許されていない施設である拘置所に在監中の被拘留者に報道関係者が直接面会して取材を行う自由や接触をもつ自由が憲法21条の精神に照らし保障されているとするのは困難 そうとは思えないけど。

 

公正な刑事裁判の実現のための取材の自由に対する制約

国家の基本的要請

実体的真実発見の要請

報道機関の取材活動によって得られたものが証拠として必要と認められるのであれば、取材の自由がある程度の制約を蒙ることはやむを得ない。

 

公正な刑事裁判の実現

報道機関の取材の自由が妨げられる程度

それが報道の自由に及ぼす影響

と比較衡量して判断すべき

配慮すべきである。

一定の制約を受ける

 

公共の利益

取材方法手段が一般の刑罰法令に触れる

取材源が承諾

 

社会的意義

重大な民事事件

取材源の秘密の社会的価値を

公正な裁判の実現から

当該証言を得ることが必要不可欠な事情がない限り

取材源秘匿の自由は憲法21条1項によって保護

 

 

西山記者事件

方法手段が社会通念上是認されるものであれば

実質的に違法性を欠き正当業務

政府情報開示請求

抽象的権利 法律がないと行使できない

情報公開法 情報公開条例

 

国家

表現活動に 金銭的援助

内容着目給付 中立とはいえない

表現の自由の根拠

表現行為による個人の自律の達成

ある表現を価値あるものとすることは

それ以外の表現の価値を相対的に低いと評価することになる

となると

国家の思想的中立性原則に反する

 

国家以外の独立した機関が価値ある表現を決定するのであれば

思想的中立性の原則は維持

しかし、名ばかり 国家の傀儡 独立性 選任手続 合理的か

 

 

集会の自由

特定の又は不特定の多数人が共通の目的をもって一定の場所に一時的に集まることを意味して、結社は特定の多数人が共通の目的をもって継続的に結合すること

 

 

泉佐野

地方自治法244条 正当理由がなければ拒めない 不当な差別的取扱は禁止

条例は244条の2第1項 公の施設 

住民 設置目的に反しない限り原則利用が認められる

管理者が正当な理由なく拒否

憲法の保障する集会の自由の不当な制限

 

防御権

表現の自由

公権力によって妨げられない

しかし、国や自治体の施設利用は、法律上の利用の可否の問題であり

憲法21条により請求権を保障されているわけではない。

自治体は場所を提供するという積極的な措置を行わなかったが、集会を妨げたわけではない、

 

市民会館 指定的パブリックフォーラム

施設は国家の財産管理の対象ではなく、だれのものでなく、開かれた空間にある公衆が施設利用できることが原則

不許可は集会の自由の制約

成田新法事件

集会は国民が様々な意見や情報に接することにより自己の思想や人格を形成発展させる、また相互に意見、情報を伝達交流する場

対外的意見表明の有効な場

 

憲法21条1項 集会の自由 特に尊重

 

施設をその集会のために利用させることよって他の基本的人権が侵害され、

公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られる

集会の自由の制約は精神的自由の制約

経済的自由より厳格審査すべきである。

単に危険の発生の蓋然性だけでは足りず、明らかに差し迫った危険の発生が具体的に予見

 

身体生命財産の侵害公共の安全が損なわれる危険を回避

防止する必要性が優越する

その危険性は 蓋然性では足りず、明らかに差し迫った危険の発生が具体的に予見されること

 

 

 刑法H2

 

監禁罪(220条)

強制性交未遂(179条、177条)

反抗を抑圧した後に財物奪取

強盗罪(236条)

 

監禁罪の保護法益

可能的自由 移動しようと思えば移動できる

現実的自由 現に移動しようとする自由

 

強制性交の暴行又は脅迫

被害者の反抗を著しく困難にならしめる程度

中止犯(43条ただし書)

すきをみて逃げ出す

財物奪取の手段として、暴行又は脅迫

 

強盗以外の目的で被害者を抗拒不能に状態にしたあとで

財物奪取の故意を生じた

あらたな暴行脅迫がなければ強盗罪は成立しない

 

甲が強制性交の目的でAを車に乗せた行為について監禁罪(220条)が成立しないか。

監禁とは、人が一定の区域から出ることを不可能にする、著しく困難にする

車に乗せて疾走すると、脱出は著しく困難

Aが下ろしてと頼んだのにもかかわらず、車を疾走させた時点で監禁罪が成立する

では、甲がAを自宅まで送るといって、車にだまして乗せた時点で監禁罪は成立しないか。

監禁罪に成立について、被害者の監禁の事実の認識が必要かが問題となるが、

監禁罪の保護法益は人の身体の可能的自由であると解する。

すなわたい、行動したいときに行動できる自由を刑法上保護していると解する。

よって、被害者が監禁の事実を認識していなくても、

被害者の可能的自由が侵害されるから、監禁罪が成立する。

よって、本問では車を乗せた時点で監禁罪が成立する。

 

 

甲が強制性交の目的でAを無理矢理車の外に引っ張り出し押したそうとした行為について、強制性交未遂罪が(177条179条)が成立しないか

社外に無理やり、引っ張りだし、押し倒した行為は

相手方の反抗を著しく困難にする暴行であり、実行着手といえる。しかし、

性交にいたっておらず、強制性交等未遂罪

 

では、極度の畏怖したAがお金をあげるから勘弁してといって財布を差し出し

これを取り上げた行為はいかなる罪責を負うか。

Aは極度に畏怖しており、財布の交付性に任意性がないので、恐喝罪は成立しない。

では、強盗罪が236条1項)が成立しないか。

甲の暴行は強制性交目的であり、財物奪取に向けられていない。

強盗罪の特徴は、暴行脅迫を手段として、財物奪取する点にあるから、畏怖状態を利用して財物奪取することを強盗と評価することは妥当ではない。

したがって、財物奪取に向けられた新たな暴行脅迫がない限り

強盗は成立せず、窃盗罪が問題となる。

本問では、新たな暴行脅迫がないので、強盗罪は成立しない。

 

Aは甲に財布を差し出しているが、極度に畏怖しており、任意ではない。

窃盗とは、被害者の意思に反して、財物を自己の支配下に移転させる行為であり、窃取にあたる。

また、不法領得の意思の意思もある。

よって、窃盗罪

 

併合罪(45条)

 

タクシー

無賃乗車の故意

錯誤 財産的処分行為 不法な利得 246条2項 

そのあと、逃走するために電話 

支払を免れるために殴り倒した

5万円を奪った

 

甲が無賃乗車の意思でタクシーの乗車して乙に運転させた行為について

詐欺利得罪(246条2項)が成立しないか。

支払の意思がない

A地点までの運転以来

欺く行為

錯誤に陥って、運転という処分行為

A地点の手前1キロまで役務の提供をうけた

財産上の利益を得た

よって詐欺利得罪

 

電話をかけたいとタクシー料金を免れる目的

についても、詐欺利得罪は成立しないか。

不可罰である利益窃盗と区別

処分意思に基づく処分行為が必要

ちょっと電話をかけたいに応じて車を止めた

タクシー料金の免除する意思に基づいた処分行為はない

よって

詐欺利得罪は成立しない

 

 

甲が乙を殴り倒してタクシー料金を免れた行為

強盗利得罪(236条2項)

気絶するほど強く殴った 相手方の反抗を抑圧するのに足りる程度

暴行

気絶しているので、処分行為がない

強盗利得罪が成立するか

2項強盗利得罪 1項ともに 被害者の意思を抑圧して利得を得る

詐欺利得罪とことなり、被害者の自由意志を前提とする処分行為は不要

もっとも

処罰範囲を限定するために、利得を得たとは

事実上の利益をえたと言えなければならない。

タクシーは、不特定多数

その場で代金を請求できなければあとで取り立てることは事実上不可能

よって、甲は事実上の利益を得た

よって強盗利得罪

乙は気絶

軽微な傷害

強盗致傷の傷害にはあたらないと解する。

 

 

気絶後、売上5万持ち出した行為に窃盗罪又は強盗罪

強盗罪は、暴行脅迫を手段として、財物を奪取

不当な利益を得る犯罪類型

暴行脅迫は財物奪取に向けてなされる必要がある

暴行脅迫後、奪取意思が生じて、奪取した場合は新たな暴行脅迫がない限り、窃盗罪が成立するのにとどまる

 

甲は暴行をタクシー料金の免除に向けて用いており、売上奪取に向けてはいない

よって新たな暴行脅迫がないので、窃盗罪

 

詐欺利得罪、 強盗利得罪、窃盗罪

詐欺利得罪と強盗利得罪は同じ利益を対象としているので実質的に同一なので、詐欺利得罪は重い強盗利得罪に吸収される。

強盗利得罪と窃盗罪の併合罪

 

強制処分法定主義

強制処分が被処分者の重要な権利利益に対する制約を伴うことを鑑みて、

強制処分の内容、要件、効果は刑事訴訟法に定めなければならないという建て前。

 

写真撮影は捜査官が五官の作用で対象の形を認識をするものだから、懸賞に当たる。

写真撮影がきょうせに当たる場合は、検証令状が必要

 

 

強制処分とは

個人の意思を制圧し、身体住居財産等に制約を加え強制的に捜査目的を実現する行為で、特別の根拠規定がないと許容することが相当でない手段

 

 

裁判官による事前審査を要求する令状主義

重要な権利利益を制約する手段

公道

みだりに容ぼうを撮影されない自由

プライバシーという重要な権利利益

制約

公道 開かれた場所 他人観察は甘受

合理的な保護程度は下がる

 

写真撮影が任意

京都府学連事件

現に犯罪が行われ、もしくは間もない

証拠保全の必要性緊急性

撮影方法が一般的に許容される程度を越えない相当の方法

犯人特定のための写真撮影は捜査目的達成のため必要な範囲において相当と言えるので、上記規範は適用されない

 

出入り口

路上

犯人特定

本件写真撮影は無令状

犯人特定

捜査機関が五官の作用対象の形状を認識する検証の性質

写真撮影が強制処分に当たる場合(197条1項ただし書)

検証令状(218条1項)を欠き、違法

 

 

 

写真撮影が強制処分か

 

 

197条1項 強制処分とは

個人の意思を制圧し、身体財産住居等の重要な権利に制約を加える行為

あてはめ

路上

望遠レンズ

カメラ撮影

みだりに容ぼうを撮影されない自由

プライバシーという重要な権利利益の制約

しかし、

公道

開かれた場所

被撮影者のプライバシーに対する期待は減少

開かれた場所での他人から容ぼうを観察されることは甘受

プライバシー保護の程度は下がる

したがって、公道と同視できる場所や公道に近い場所での撮影にとどまるのであれば、被撮影者の重要な権利利益の制約とは言えない。

 

 

本問

当てはめ

強制処分にあたらない

 

 

任意処分の限界

強制処分にあたらないとしても、みだりに容ぼうを撮影されない自由に対する制約があり、任意処分として当然許容されるのか。l

嫌疑、必要性、被侵害利益の性質、程度、必要な範囲で相当な方法

当てはめ甲

集団連続強盗の犯人である疑い濃厚

合理的な理由

重大事案

今後の同様の事件の危険

容ぼうを撮影して、被害者に甲が犯人であるか確認する必要性が高い。

 

撮影方法

甲宅の中は撮影していない

路上

生活の平穏を乱していない

相当性

 

よって、任意処分の限界は超えていない。

 

 乙の写真撮影

乙は犯人グループという情報はない

しかしグループ犯行

嫌疑が濃厚 出入り 関与の可能性も高い

連続強盗という重大な事案で

今後同様の事件が再発する可能性が高く、

乙の容ぼうを撮影して、被害者等に乙が犯人であるか否か

確認する高度の必要性がある

撮影方法は相当

よって、任意処分の限界は超えてない。

 

 Aのビデオ撮影

Bのビデオ撮影

無令状

犯人特定の目的

捜査機関が五官の作用で対象の形状を認識する検証の性質

強制処分であるなら、検証令状を欠き、違法(218条、憲法35条)

ビデオ撮影が強制処分か

 

197条1項ただし書

強制処分とは

個人の意思を制圧し、身体財産住居との重要な権利に制約を加える行為

当てはめ

A 甲宅前 2階 居室監視 カーテンを開けて顔を見せた際にビデオ撮影

犯人特定

被撮影者のみだりに容ぼうを撮影されない自由である

プライバシーという重要な権利利益に対する制約とはいえるが、

しかし、

公道と同視できる場所、公道から見える場所被撮影者のプライバシーに対する保護は低下

開かれた場所での他人から観察されることはある程度甘受されなければならないこと

プライバシーに対する合理的保護の程度も低下

 

あてはめ

公道から見える範囲

甲の重要な権利利益の制約とは言えない

よってAのビデオ撮影撮影は強制処分ではない

Bのビデオ撮影

レストラン

誰でも出入りできる点で公道と同じ

 

 

任意処分の限界

強制処分に当たらないとしても、

みだりに容ぼうを撮影されない自由に対する制約があり、任意処分として当然許容されるわけではなく、嫌疑の程度、ビデオ撮影の必要性、被侵害利益の性質、程度、必要範囲で相当方法

A

振込詐欺 関与の疑い濃厚

犯人と疑う合理的理由 が高度

重大事案

 

振込詐欺

被害者と犯人が対峙していない

犯人の容貌が不明

現金自動支払機 現金を引き出す犯人の防犯カメラの映像と

甲の容貌を撮影して比較して、犯人の同一性を判断する必要性がある

 

撮影方法

望遠レンズ

室内ではなく、窓越し

相当

 

そう